ネガティブな感情が止まらない
あれこれグズグズ考えてしまう
悩みの絶えないみなさんこんにちは。
ネガティブな感情にとりつかれることや、グズグズ考えてしまうことは誰にだってあると思います。
しかしそれが度を越してしまうと、どうでしょうか?
仕事に集中できない。
趣味を心から楽しめない。
もはや何もしたくない。
控えめに言って百害あって一利なしです。
そりゃ誰だって好きでネガティブになっている訳じゃないですよね。
自分を肯定し、気持ちよく毎日を過ごしたいと願っているはずです。
でも脳はそれを許してはくれない。スキあらばあなたにささやくのです。
「お前なんてどうせ‥‥‥」
コロナ流行のせいで、一人お悩み方も多いと思います。
そんな方に紹介したい本がこちら
鈴木祐さん著
無=(最高の状態)
本書はネガティブな感情がなぜ起こるのかを解説し、その対策法を具体的に教えてくれる良書です。
この記事では、無=(最高の状態)を読んだ、感想と要点を解説していきたいと思います。
一緒に学んでネガティブをなくし
無=(最高の状態)を目指しましょう。
今を生きよう
結論。最高の状態になりたければ、「停止」と「観察」スキルを習得すべし
本書の大トロは「停止」と「観察」のメソッドです。
ネガティブな感情は脳があなたに対して、
お前はダメ奴だ。
と勝手な物語をさささやき出すことにより起こります。
それを「停止」のスキルで黙らせます。
ただ、「停止」のスキルは万能ではありません。
そこで「観察」スキルの出番です。
観察は六本木ヒルズから、人混みを見下ろすがごとく、脳のささやきを他人事にしてくれます。
この二段構えでネガティブから抜け出し、あなたを最高の状態に導くことを可能にします。
まず停止スキルの鍛え方は‥‥
止想(しそう)
脳内のイメージや呼吸など特定の対象に意識を向けるタイプの瞑想です。
やり方を簡単に説明すると以下の通り
・意識を向けるターゲットを決める。
最初は呼吸が良いです。
・リラックスできる姿勢を取る
・肩の力を抜き、腹式呼吸を意識してターゲットに意識を向ける。
この時ごちゃごちゃ考えず、ひたすらにその感覚だけに集中する
・途中別のことが思い浮かびますが、自分を責めず何度もターゲットに意識を戻す
最初は5分程度から始め、慣れてきたら徐々に時間を延ばしていきましょう。
複数の調査では、短時間の実践でも集中力が高まる可能性が示唆されています。
次に観察スキルの鍛え方は‥‥
作務(さむ)
食事、皿洗い、お風呂など日常の動作に意識を向け続けるトレーニング。
例を上げると以下の通り
・お茶を飲むとき、舌で感じる味わいに意識を向け続ける
・食器を洗っている間、洗剤の泡を感じ続ける
・湯船に浸かっている間、お湯の温度を感じ続ける
一回3〜5分で始めてみましょう。
実験では日中の緊張感や不安が減ったと報告されています。
どうしてネガティブな感情にとりつかれるのか→自己が原因
解決策が分かったところで、そもそもどうして渦巻くネガティブ感情が起こるのでしょうか?
それは自己が発動するからです。
いきなり自己と言われても、なんだか分からないと思いますので解説します。
無=(最高の状態)では自己を
自分が他者とは異なる存在であり、常に同じ人間であるという実感
と定義しています。つまり
私は私であるという感覚を指します。
そんな当たり前な感覚がなぜダメなのでしょうか。。。
自己が悪さをする例を挙げます
あなたが上司に理不尽に怒られた時
その体験が大脳辺緑系を刺激し、全身をネガティブな感情で包み込みます。
ここまでは防ぎようのない現象です。
ここから、自己が発動すると
【私】が怒られるのは理不尽だ
【私】が何かミスをしたのか?
【私】は悪くない。悪いのはあいつだ
と放っておけば鎮まるはずだったネガティブな感情が
自己(私)を中心に広がっていきます。
さらに進むと
【私】は一ヶ月前も似たようなことで怒られてた
【私】の未来はいったいどうなるのか
と未来や過去の話まで引っ掻き回す事態となってしまいます。
このように
ある嫌な体験をきっかけに
自己が発動し、ネガティブな思考とイメージを増大させてしまうことを
あなたを二の矢で貫く
と本書は表現しています。
反対に
上司に理不尽に怒られ、
反射的に起こるネガティブな感情を
一の矢。と表現しています。
一の矢は反射的に起こる反応なので、受け入れるしかありませんが、
二の矢は自己を無くせば防げます。
さらに、一の矢の効果時間はわずか6秒と言われていますが
反対に二の矢は、
際限無くあなたを苦しみを与え続けるのです。
まとめると
一の矢
瞬発的に起こる。対策法なし。
効果時間は短時間。
二の矢
後発的に起こる。対策法あり。
効果時間は長時間。
ネガティブ感情な感情にとりつかれるのは、自己が発動し、二の矢を自分に放ち続けるからである。
この原因を知った上で、結論で紹介した「停止」と「観察」のスキルを使い、自己を無くし
一の矢だけでネガティブは終わらせよう
と主張するのが無=(最高の状態)なのです。
無我は無感情な廃人ではない
自己は悪者だ。
と言われ、完全に立場を失していますが
自己を無くしたら人間らしくなくなるのでは?
と思うのは普通だと思います。
感情をなくした、抜け殻人間になっちゃうような。。
その点もしっかり解説ありますので安心してください。
自己をなくし無我に至った人は、果たしてどうなってしまうのでしょうか。
廃人のような無感情な人間になるのか、それとも仙人のような全てを超越した人間になってしまうのか。。。
結論
無我に至ると、すべての人が生まれながらに持つ善の力が高まる
善の力が高まるとはどういうことか、具体例は以下の通り。
①幸福度の上昇
②意思決定力の向上
③創造性の上昇
④ヒューマニズム※の向上
※自分にしてほしいことを他人にしてあげられる能力のこと。他人に優しくなれる。
つまり
自己が消えたことにより歪んだ思考と感情から解放され、理性・共感・判断などの能力が存分に発揮できるようになる
ということです。
これってどこかで見聞きしたことありませんか?
幸せそうで、判断も的確、アイディアに溢れ、周りに優しく接する人。
そう、みなさんが想像するデキるビジネスパーソンじゃないですか?
無我に至れば、廃人や仙人になるどころか、理想のビジネスパーソンになれるかもしれないのです。
無=(最高の状態)良かった点・悪かった点
最後に私が本書を読んで、良かった点と悪かった点を述べて終わりにしようと思います。
良かった点
しつこいネガティブ感情が起こる仕組みの説明が非常に分かりやすい
精神論ではなく、科学的に証明されたメソッドが多数学べる
第一章でネガティブ感情が起こる仕組みや、人間と動物の感情処理の違いを説明してくれていて、非常に分かりやすかったです。
なんとなく感じていたネガティブな感情が、こんな仕組みで生まれていたんだ。
と納得できました。
自己啓発書では
もっと自分を肯定しましょう!
とか
もっとポジティブに考えましょう!
のような精神論が取り上げられる事がありますが、
それが出来ないから困ってるのよ。
と思うものです。
本書では科学的に根拠のあるメソッドが紹介されています。
さらに根拠となる実験の内容も記載されているので、終始納得して読み進めることができました。
悪かった点
例え話が修行僧メインで身近に感じられない。
中だるみを感じた
主張を支える例え話が、
ビル・ゲイツやイチロー
のような聞いたことのある人物ではなく、
明治の禅僧・朝比奈宗源
のような全く、なじみのない人物が登場します。
一般人の私には、例がすんなりとは入って来ませんでしたが、無を題材としているので仕方ないと思います。
序章と終章は抜群に面白いです。
序章→ネガティブ感情が起こる理由が分かり、納得感が有る
終章→無我に至ると、すごい人になれることが分かりワクワクが止まらない
ですがベースの話が難しいため、中間の章で少し中だるみを感じました。
一方、著者が丁寧に説明してくれた結果でもあるので、中間の章は万全の体調で読み進めましょう。
まとめ
良書です。ぜひ読んでみてください!
無=(最高の状態)は
しつこいネガティブな感情に悩まされている人におすすめ。
「停止」と「観察」のトレーニングが無の状態を生み出す方法である。
自己が発動すると
すぐ終わるはずだったネガティブ感情を、いつまでも長引かせてしまう。
一の矢は6秒
二の矢はunlimited
本書の良かった点は
ネガティブ感情が長引く仕組みと、その対策法が科学的に分かりやすく解説してあること。
悪かった点は
主張の支えとなる例え話に、なじみを持てない。
中だるみを感じる。
以上を踏まえ、序章・一章と終章を先に読んだほうが読みやすいと思います。
今回紹介させていただいた内容はごく一部です。
他にも
無に至るための準備や、自分を苦しめる法則を知る。
など多数のステップが記載されています。
この記事だけでは紹介しきれませんでした。
本当にていねいに解説されています。
「無」というタイトルに敬遠せずに、ぜひ読んでみてほしいです。
世界が変わると思います
今回は以上となります。
ありがとうございました!